コロナ禍で政権の青写真を示せない野党にはガッカリ

　安倍前首相は、「悪夢のような民主党政権」が常套句でした。しかし今、眼前にはコロナ禍の感染抑止に手間取る「悪夢のような菅自民党政権」が横たわっています。

　つまり、かつての民主党批判が自民党自身に跳ね返ってきているのです。

　ともかく、誰が指導者でも「未知のウイルス」への対応は困難なものでしょう。

　実際、地球儀を見回しても感染の抑え込みに成功しているのは極わずかです。残念ながら、そのなかに日本は含まれていません。

　それにしても、政治生命を賭してでも感染拡大を防ぐという決意が菅首相の言葉から伝わってこないのはなぜでしょう。

　それは観光、飲食業などへの支援策「ＧｏＴｏ」キャンペーンにこだわったり、緊急事態宣言の発出をためらったりしたことと無縁ではないはずです。

　結局、国民に説明できない「何か」に固執して判断を誤り、状況を悪化させたツケを回されるのは国民です。

　年内に衆院選がありますので、野党が菅政権の〝失政〟を追求するのはわかります。しかし、それが野党の仕事といってもそれだけで国民の暮らしが良くなるはずもありません。

　菅首相のコロナ禍対策の〝まずさ〟政権の危機ですが、野党には菅自民党とは違った政権の青写真を示すというもう一つの大仕事があるはずです。

　それができなければ、国民には政権を選択できない「悪夢」が続くだけです。