スーパーウーマン・シンドローム

 

  男女雇用機会均等法が施行された1980年代後半、こう呼称されるキャリアウーマンが増えていました。

「スーパーウーマン」――。

 そう呼ばれていた女性は、何かと自意識過剰なところがありました。

 「私は会社で、組織で期待されているから頑張らなくてはいけない。でも、家庭のこともきちんとやらないと女性としては失格なのかな?」

  そんな女性に共通していたのは、自意識過剰な「がんばり過ぎ」です。

  あの時期、米国では『スーパーウーマン・シンドローム』という本が注目を集めていました。

 当時、日本のキャリアウーマンにも、そうした傾向が見受けられたのです。

  自分を優秀だと思っているので人に甘えられず、人から頼られることで自分の価値を感じていた女性たち――。 

 結果的に、がんばり過ぎて交感神経の過緊張な状態が続いて体に異常をきたすキャリアウーマンが増えていました。

  そして、ふと気づくと家族のいない独り身だったというスーパーウーマンも少なくなかったのです。

  かつてのスーパーウーマンは今、どうしているのでしょうか? 

 そして当時、なにが自分に欠けていたと考えていたのでしょうか? 

 そうした欠落感を意識して、どういうコンプレックスや嫉妬心にとらわれて自意識過剰のまま頑張っていたのでしょうか? 

 ともかくコンプレックスや嫉妬心は、なかなか複雑で怪奇なものなのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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