茶色のシマウマには嫌われる勇気がある

 昨年(15年)、息子3人を灘高から東大理Ⅲ(医学部医学科に進学できる)に進学させた奈良の専業主婦、佐藤亮子さんがネット上で炎上したことがあります。

 彼女が講演で語った「受験に恋愛は邪魔」「大学への願書は私が書いて清書させた」といった教育ママぶりが、その対象にされたのです。

 批判の内容は、こんな感じ。

 「教育ママが自分の見栄のために、子どもを支配して勉強させ、東大理Ⅲに入学させた。子どもは親の所有物ではない」 

「子どもを東大理Ⅲに入れたからって、ただの主婦が自慢げに本を出したり、講演をしたりしているのはどうなのか」 

 どこか嫉妬心や羨望が見え隠れするものが多く、悪しき平等主義とそれを押しつけようとする同調圧力に毒されたものが目につきます。

 佐藤さんは、オンラインメディア「dot・ニュース」の記事「東大理Ⅲに合格するには12歳までに◯◯を鍛える?」のなかででこう語っています。

 「受験生とその親は、過去を振り返って後悔したり、今後の受験を思って不安になったりしますが、そんなことをしても意味がありません。今日を精いっぱい頑張ることです。努力は必ず合格へつながります」 

 受験を控えた子どもを持つ母親として、揺るぎない自分の意見や価値観、人生観がそこにはあります。それで子どもの将来のことを考えて、批判の矛先となっている一般的な「教育ママ」ぶりを演じてきただけのこと。

 子どものことを思ってアクションを起こしている母親の姿勢として、どこがいけないのでしょうか? 

 あなたが特異な存在の「茶色のシマウマ(異端児)」として人と一緒にされたくないのなら、周りに嫌われても生きていけるという勇気、心の強さが求められます。

 佐藤さんには、それが立派に備わっているということです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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