メダリストになれなかったアスリートの本音を想像する力

 リオ五輪の開催時に、「メダリストに夢をもらいました」「夢を諦めずに頑張れば、必ず叶うことを知りました」といった声を耳にした人も多いと思います。

 そうした声には、違和感を覚えます。

 観戦者がメダリストに自分の姿を重ねて、夢を諦めないで追求すれば「夢は叶う」と連想しているとしたら大間違いです。なぜなら、そこには何の根拠もないから。

  オリンピックのメダリストは少数で、参加したアスリートのだれもがメダリストになっているわけではありません。そこには、最後まで夢を諦めなかったのにメダリストになれなかった無数の敗者がいるのです。

 そこを見落としてはいけません。

  このように何にでも共感していると、そのうち自分らしさを見失ってしまう心配があります。

 いつも人の意見を鵜呑みにしていると、それに同化するばかりで悪影響を受けるリスクが高まります。人の意見や流れてくる情報がすべて真実を伝えているわけではなく、なかには間違った情報もあるのです。

 そこで自分で考えて判断し、それから評価するという値踏みが欠かせないのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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