国民を納得させられないリーダー
門松を片づけると、正月気分ともお別れです。松の内は東京などで7日まで、関西では古くは15日までを指したといいます。
俳人で小説家だった高浜虚子は、こう詠んでいます。
「松過ぎの又も光陰矢の如く」
いつの年は、松の内を過ぎると新年の雰囲気が矢のように遠ざかっていました。
しかし、今年は例年とは違い、もともと薄い正月の気分がコロナ禍で早々と去ったかのようです。
仕事始めも終わった1月7日、東京や神奈川、千葉、埼玉の4都県に再び緊急事態宣言が発令され、昨年のあの重苦しい日々を思い出した人も多かったことでしょう。
今回、対象に入っていない地域でも、まったく他人事と思う人などいなかったはずです。まさに、コロナ禍を目に一歩後戻りするような日本列島です。
感染者の増え方と医療の圧迫を考えると、この措置は納得できます。ただ、発令が遅すぎたという感じもします。
菅首相は、昨年から頑なに緊急事態宣言に慎重姿勢でした。しかし、一転して再発令に傾いています。
この方針転換について、国民が納得できる言葉や説明がありません。昨日の記者会見でも、原稿を棒読みしながら話しています。
案の定、説得力のない記者会見でした。
中国の古典「菜根譚(さいこんたん)」には、大切なことを成し遂げるために虎に乗るような勢いに任せれば成就しないので「一歩引くことを考えよ」とあります。
一歩の後戻りは辛いですが、今が踏ん張り時です。菅首相からは、国民の頑張りを支える言葉や説明がほしいものです。
まあ、期待するだけムダだという気もしますが・・・。
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