一つのノリの一つの国家


 米国で初めての女性で、黒人でもあるアジア系として副大統領に就任するカマラ・ハリスさんが以前、「大統領選の歌」に選んで話題になった曲があります。

 それは、バンド「ファンカデリック」の「ワン・ネーション・アンダー・ア・グルーブ」です。曲名「一つの乗り(グルーブ)の一つの国家」と同じ意味の歌詞が、サビで繰り返されます。

 多種多様な歌い手や奏者が主役、脇役を務めながら、大きな乗りを生み出していく黒人発祥のファンクミュージックの名曲でもあります。

 人種や改装などが多様な米国の混乱した大統領選は、先日行われた選挙人投票によって民主党のバイデン候補の次期大統領就任が確定したといいます。

 バイデン新大統領は、新政権について「最も多様性に富んだものになる」と表明しています。

 ハリス氏にとどまらず数多くの女性や非白人、性的少数者を閣僚などに置く人事を明らかにし、先住民系初の閣僚になるという女性下院議員ハーランド氏の登用も名言しています。

 トランプ大統領の米国では、人種などの違いが分断の火種になっています。その修復は簡単ではないでしょうが、そうした違いはあっても共通の〝乗り〟は失わない国家づくが望まれます。

 このことは、分断と格差が進む日本にも言えることでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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