ダメな政治家、ウイルスより怖い


 イグ・ノーベル賞は通常、人を笑わせつつ考えさせるユニークな研究に対して贈られています。ただ、たまに強烈な政治的風刺を込めた選考がなされることもあります。

 同賞委員会が今年の「医療教育賞」に選んだのは、ブラジルのボルソナロ大統領、米国のトランプ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領など9人です。

 いずれも、新型コロナウイルスの深刻な感染拡大に見舞われた国々の指導者です。

 コロナ禍に対する受賞者たちの発言を振り返ると、ボルソナロ大統領が「コロナはただの風邪だ」、トランプ大統領が「消毒液を注射してはどうか」、ルカシェンコ大統領が「ウオッカを飲めば消毒できる」などとなっています。

 同賞委員会は、

賞を授けた理由についてこう述べています。

「政治家は科学者や医師よりも生と死に直接的な影響を与える、という事実を世界に知らしめた」

 きつい皮肉ですが、指導者の質に国民の生死が左右されるのは事実です。国民にとっては、やはり「ダメな政治家、ウイルスより怖い」ということでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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