〝裸の王様〟の〝危機感の衣〟の薄さ
アンデルセンの童話「皇帝の新しい服(裸の王様)」は、子どもが〝王様は裸だ〟とばらしてしまう話です。
王様も、大人までが〝王様は裸だ〟と叫び出すとそう思えてきます。しかし、「今さらパレードをやめるわけにはいかない」と考えるのです。
そのため王様は、なおさらもったいぶって歩きます。侍従たちも、ありもしない王様の新しい服の裾を捧げて進んでいきます。
つまり、王様とその側近だけはフィクションを演じ続けたという話です。
菅首相もコロナ禍の感染拡大が止まらずに医療崩壊の危機が迫るなか、「今さらやめられない」と「GoToトラベル」事業へ異様なまでに固執し続けて国民を不安に陥れてきました。
菅政権のコロナ禍対策への国民の不満は大きく、「Go To トラベル」事業の中止を求める向きは多数に上っていました。
振り返って見ると、菅首相は人の移動と感染の関係を否定し、「GoToが悪者になった」と嘆いていました。
感染症の専門家はもちろん、医療現場の苦境を心配する国民も、この期におよんで〝危機感の衣〟を纏おうとしない〝裸の王様〟に唖然とさせられるばかりでした。
さすがに菅首相は12月14日、年末年始のGoTo全国一斉停止を表明しています。感染抑止のためならば、なぜ直ちに踏み切らないのでしょう。
自分が〝裸だった〟とわかった後にも、なおもったいぶった姿勢です。人の性とは、なんともハタ迷惑なものです。
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