菅政権の本音②「〝リストラの勧め〟を推進する菅政権」
菅首相は、安倍前政権の「未来投資会議」を引き継いだ成長戦略会議で「中小企業のM&A(合併・買収)」を議題に取り上げています。
そのメンバーである小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長は、日本の中小企業は生産性が低く「コロナ前の現状維持は不可能」だとして成長する企業を中心に支援する政策に変えるよう求めています。
たとえばコロナ禍で青息吐息の宿泊業者には、こう廃業、転業を迫るシビアさです。
「中小企業経営者の84%が、転換の意向がないということは大変問題です」
アトキンソン社長は、「中小企業半減」が持論です。
菅首相は、そんなアトキンソン社長を成長戦略会議の有識者メンバーに指名しています。
つまり、そこに菅政権の中小企業政策の本音、方向性が表れているのです。
生産性のない中小企業に「生産性が低い」と退場を求める主張は、アトキンソン社長だけのものではありません。
安倍前政権が決定していた2020年の成長戦略は、中小企業の廃業率が高いことを問題にしてきたこれまでの表現を削除し、淘汰を促す方向を示しています。
中小企業庁が11月11日に「中小企業の経営資源集約化等に関する検討会」の第1回会合を開いたのも、低い生産性などの解消に向けて中小企業の統合、再編を推し進めることが目的です。
ここで持ち出されているのは、労働者1人当たりどれだけの付加価値を生み出したかを示す労働生産性です。
儲けの大きい大企業は高く、大企業と比べて不利な中で営業している中小企業は低くなります。
優遇税制など大企業に手厚く、中小企業に冷たい経済政策こそ改めなければなりません。
労働生産性は、労働者数を減らせば高くなります。生産性向上ばかり追求するのは、要するに〝リストラの勧め〟に他ならないのです。
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