スポーツは勝敗だけがすべてではない


 佐賀県の高校ラグビーは、なんと初戦にして決勝戦を迎えます。県大会に出場するチームが、佐賀工業と鳥栖工業のみだからです。

 公式戦出場が2校というのは、全国でも佐賀県と島根県しかないといいます。30年前までは佐賀県でも6校が県大会に出ていましたが、部員不足などで次々と姿を消していったのです。

 佐賀工業は全国大会に38年連続で出場し、五郎丸歩選手ら日本代表も輩出した強豪校です。これに対し、鳥栖工業は高校からラグビーを始めた部員が大半です。

 両校は全国大会出場を懸けた県大会決勝で12年連続して戦い、佐賀工業は常に鳥栖工業を圧倒しています。昨季は、209対0という結果です。

 鳥栖工業の生徒はどんな思いでラグビーを続け、佐賀工と戦っているのでしょう。

 そこには、勝敗だけにこだわらない世界があります。209対0で負けても、おたがいを認め合い、ともに成長していく高校の部活動の本来の姿があるのです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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