社会運動の場での性被害


 今年9月4日、ツイッターの匿名アカウントで「すべての馬鹿げた革命に抗して」というタイトルで声明が投稿されています。

 書き出しは、こうです。

「この社会のあらゆる場でそうであるように、社会運動の場においても、私には〝女性〟として期待される役割がありました」

 さらに性差別的な体験や性被害についてのアンケート結果も掲載され、50人以上の体験が記されています。

 たとえば、こんな感じです。 

「最初は、その身近すぎる男性の将来のために黙りました。次に、一緒に活動する仲間たちのために黙りました。『話せばわかる人だから』という言葉に黙り、『反差別』や『民主主義』のために黙り、『社会運動の未来』のために黙りました」

 組織内でのセクハラを聞いたこともありますが、これまで個人的で限定的なものだと思っていました。

 しかし、上記の声明文を目にして感じたのはこういうことです。

「被害が埋もれる理由のひとつに、社会運動という環境があるのではないか」

 理念に共鳴して相手を信頼しているために性加害から逃れにくく、それを受けた後も沈黙せざるをえないのでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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