イタチの道切り


 イタチの鳴き声は、昔の人には「ケチケチケチ」と聞こえたといいます。

 かつてイタチが縁起の悪い動物であり、妖怪変化の仲間とさえ信じられていたのはケチがつきそうな声や血を連想する名前のせいもあったようです。

「いたちの道切り」とは、人が歩いている道をイタチが横切ることです。

 その姿を見ると災難が起こると恐れられ、横切られた人は「一度、家に引き返せ」と言われたそうです。

 北欧のデンマークで、高級毛皮を採取する家畜のミンクから変異した新型コロナウイルスが発見されたといいます。

 その変異したウイルスに感染した人も、すでに確認されているようです。

 事態を受けたデンマーク政府は国内すべての家畜ミンクを殺処分する方針で、その数は千数百万匹にもおよぶと伝えられています。

 殺処分されるミンクも哀れですが、人類にとっても警戒すべきウイルスの変異です。

 ワクチン開発が急ピッチで進むなか、変異したウイルスにも効き目はあるのか現段階では判断できません。

 ただ、ワクチン開発の道をミンクが横切ってしまったのは確かです。

 開発中のワクチンが効かないとなれば、別のワクチンの開発が必要となります。新型コロナウイルスとワクチン開発の果てしない「いたちごっこ」が心配されます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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