ANAは開拓者精神を持ち続けろ


 2002年元日の新聞に1ページの大半を〝余白〟が占める広告が掲載され、話題になっています。

 3か月あまり前に、米中枢同時テロが起きたばかりの時期です。

 あまり見たことのない構成で、小さく自由の女神像と「ニューヨークへ、行こう。」の文字が載っていました。

 広告主は、渡航自粛の機運などで打撃を受けていた全日本空輸です。

 同社は別の観光地でなく、あえてニューヨークに目を向けた広告制作者の提案を受け入れたといいます。

 自由で新しい物事に挑戦的な社風も思わせる広告とも言え、その年の新聞広告賞を受けています。

 ただ、コロナ禍の今、全日空を傘下におくANAホールディングスは5000億円という赤字の見通しを明らかにしています。

 航空業界は、コロナ禍による需要の減少で過去最悪の打撃を受けています。ニューヨークはおろか国内の移動もままならない現状で、他者を励ます余裕などまったくないようです。

 航空需要の低迷は続くという判断から、路線の縮小を含めて大変な改革を視野に入れているようです。 

 国をバックに持たず、開拓者の精神を誇りにしてきた企業です。挑戦する気風を糧にして、また立ち上がることを望みます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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