絶滅危惧種に指定されたマツタケ


 各国政府や環境団体などで構成される「国際自然保護連合(IUCN)」は10月9日、絶滅の恐れがある野生生物を分類した「レッドリスト」を更新し、秋の味覚を代表する高級食材マツタケを絶滅危惧種に指定しています。

 このニュースに、驚いた人も多いことでしょう。

 危険度は、上から3番目の「危急」です。マツタケの生育するマツ林が減ったためで、人間による採りすぎという話とは少し話が違うようです。

 実際、今月に入って岩手県での大豊作のおかげで東京市場のマツタケの卸値は平年の5割安といいます。

 全国的には例年よりも入荷が遅れている地域が多く、産地によって不作、豊作さまざまの様相を呈しています。

 

 今年のマツタケに関して目立っているのは、輸入マツタケの高値だといいます。

 まず輸入量トップの中国からの品がコロナ禍による航空便減便や現地の需要増などで減り、次に2位の米国からの品が主産地オレゴン州など西海岸の山火事のために収穫できなくなっているというのです。

 マツタケ一つ見ても、気候変動による山火事の大規模化など各地の森林生態系の変化が見て取れます。

 国際的な交通網を分断したコロナ禍のパンデミックは、地球上の様々な光景を思い浮かべさせます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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