菅新政権の使命は日本経済の復活、再生、維持に尽きる
さて、創業より業績を維持することのほうが難しいといわれます。
中国や日本で、歴代の名君や名将軍と呼ばれる人物たちが〝座右の書〟としてきた書物があります。
それは帝王学の書物「貞観政要」で、唐の第2代皇帝だった太宗の言葉が載っています。
「人は、自分の姿を照らそうと思えば必ず鏡を用いる。君主は、自らの過ちを知ろうとするなら必ず忠臣の諫めによらねばならない」
太宗は、臣下に対して「思ったことを遠慮なく言い尽くすように」と求めていたのです。
この書物ののなかでも、臣下の諫言とそれに心を開く君主の姿勢が大事なことを繰り返し述べています。
先日、〝安倍1強政権〟を下支えしてきた菅義偉官房長官が自民党総裁選に圧勝し、後継政権を引き継ぐことになりました。
これまで忠臣役に徹してきた菅新総裁の発言で気になったのは、総裁選中に語った「政府の方針に反対の役人には異動してもらう」という物言いです。
どうやら官僚人事を掌握した官邸主導の政策決定に辣腕を振るった官房長官時代そのままに、新首相になっても各省に睨みを利かせえるつもりのようです。
安倍政権では、政治主導はいいとしても役人の「忖度」や「萎縮」といった実際の姿が国民に眉を顰めさせていました。
菅新首相はコロナ後の新世界をにらむリーダーとして、太宗に学び役人の創意や士気を励ます人事を採るべきでしょう。
菅新総裁は「安倍政権の継承が使命」とも語っていますが、太宗の帝王学では「創業にもまして守成(成果を守ること)の難しさ」を説いています。
ともかく、菅新政権が果たすべき役割はコロナ禍で大きな痛手を負った日本経済の復活、再生、維持であることは目に見えています。
それができないなら、サッサと政権を譲るべきでしょう
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