ハンコ文化は時代に合わない


 日本でハンコの使用が一般的に普及したのは、江戸時代のことでした。当時、町人のハンコは名主のところに届けておくものとされていました。身元保証などに広く用いられ、偽造や悪用は重罰に処せられています。  

 新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、そのハンコに対する風当たりが強まっています。なぜなら、感染対策の切り札となるはずのテレワーク導入の障害になっているからです。 

「在宅勤務なのに、わざわざハンコを押すために出社しなければならなかった」  

 コロナ過が起こる以前から、「ハンコはオンライン化の障壁になる」と指摘されていました。  

 多くの企業は、すでにハンコ廃止の動きを始めています。フリーマーケットアプリのメルカリは脱ハンコを宣言し、社外契約を電子署名に切り替えています。IT関連企業のGMOインターネットも、トップが印鑑廃止を表明しています。  

 官公庁のなかにも、千葉市のようにハンコ偏重の見直しを進めてきた自治体があります。市民の申請手続きのうち、すでに6割超をハンコ不要としています。今後も、市民が役所に行かずに済むオンライン手続きの拡大に取り組むといいます。  

 ハンコに愛着を感じる人は少なくないでしょうが、感染防止で人との接触を極力減らしたいのにハンコを押すだけのために出社することは終わりにしたいものです。


八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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