獅子の分け前には忖度がつきもの

 イソップ物語に「獅子の分け前」と呼ばれる話があり、内容には数種のパターンがあります。たとえば獅子とロバ、キツネが狩りをして、獲物を均等に分けたロバを怒った獅子がロバを食べてしまいます。それを見たキツネは、獅子にほぼ全部を譲ります。   

 このストーリー展開では、正当な権利を装いながらの独り占めすることです。その教訓は、「他人の不幸は人を賢くする」ということです。  

 別のスト―リー展開では、3匹の動物と狩りをした獅子は獲物を4分割し、まず4分の1を自分の分とします。次の4分の1は自分の優れた勇気のため、その次の4分の1は親と子どものためにと自分で取ります。そして残った4分の1については「議論したい者は相手になるぞ」と脅し、最終的に自分のものにします。  

 このストーリー展開での教訓は、強者はルールを勝手に捻じ曲げ、弱者はそれを忖度しないと生き残れないということです。これは、どこか〝安倍一強内閣〟と似ている感じです。 

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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