馴れ合いは最終的にみんなを不幸にする

 脳科学者でソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員の茂木健一郎氏が、テレビドラマや映画、演劇のキャスティングについてこう訴えたことがあります。 

「もっとオーディションをきちんとしましょう」  

 茂木氏は、これまでお笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さんがテレビ業界から〝干されている〟との報道など芸能界におけるさまざまな問題にあえて物申してきました。  

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロイン天野アキ役を演じた能年玲奈さんは、所属事務所をめぐるゴタゴタもあって「のん」さんと改名しています。この件で、茂木氏は「のん」さんと同事務所との関係をめぐる一部報道にも触れ、こう疑問を呈したこともあります。 

「なぜマスコミはアーティストの個性を尊重せずに、事務所という組織や業界という同化圧力の塊の側に立った記事を書くのでしょう」  

 さらに、こう警鐘を鳴らしています。 

「日本のドラマ、映画関係者にお願いしたいのは、もっとオーディションをきちんとしましょうということです。事務所や既成の知名度に関係なく、本当にその役にふさわしい役者さんを有名無名に関係なく見つけることです。そうでないと作品の質が最適化されず、なれ合いは結局みんなが不幸になります」  

 確かに、業界の〝悪しき本質〟を突いた警鐘です。もちろん、馴れ合いは最終的にみんなを不幸にするでしょう。 


#なれ合い #才能

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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