信じる力「心の中で勝てると思い込ませる」

 元プロ棋士の桐谷広人さん(68歳)は、失恋をきっかけに株式投資を始め、現役時代から財テク棋士として有名でした。2007年の棋士引退後、リーマン・ショックなどによる株価暴落で「どん底」を味わったといいます。  

 現在、証券口座の総資産額は3億円で、今では現金をほとんど使わない「株主優待生活」を続けています。深夜番組「月曜から夜ふかし」(日テレ系)にも出演し、自転車の「立ちこぎ」で都内を疾走することでも人気を博しています。  

 実はプロ棋士になるまで勝負どころで勝てず、プロ棋士養成機関の「奨励会」をクビ寸前まで追い込まれた時期がありました。お金もなく、ご飯も毎日インスタントラーメンだったといいます。体調も崩し、楽しかった将棋なのに胸がどきどきして平常心で指せなくなりました。  

 ここから、あることがきっかけで「奇跡の14連勝」を果たします。父親から『幸福への挑戦 サイコ・サイバネティクス』という心理学の本を買うように薦められ、当時では大金だった1600円くらいで購入して読み込みました。  

 それまで「いつも負けるんじゃないか」と思って対戦に臨んでいましたが、この本を読んでから「心の中で勝てると完全に思い込ませることが大事なんだ」ということを学んだのです。  

 実際、本を読んでから指が自然と駒を良い方向に動かすようになったといいます。6連勝して1級に昇格すると、その勢いのまま8連勝して初段になるなど奇跡の14連勝を果たしました。  

 強敵が相手でも、「心の中で勝てると思い込ませる」ことができると「奇跡」が起きると自分の体験から確信したのです。  

 この心構えは、今でも株式投資に大いに役立っているといいます。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000