天然魚と養殖魚

 あなたが起業家で、女性従業員を一人だけ採用したいと思っているとします。採用面接には、タイプの違う二人の女性が応募してきました。一人は品行方正なタイプ、もう一人は真逆のヤンキータイプでした。  

 面接してみると、前者はまじめですが視野が狭くて機転や融通が利かないように見えました。一方、後者はヤンチャな経験が豊富で行動力もあるように思われました。  


 あなたなら、どちらを採用しますか?  


 実社会に出ると、「まじめタイプ」で応用力に欠けるタイプより何らかのヤンチャをやってきた「ヤンキータイプ」のほうが想定外の出来事に対する適応力があり、実力を発揮するケースも少なくありません。  

 養殖魚は、生け簀の中でエサを与えられながら育っています。品行方正なタイプは、大事に育てられた養殖魚のようなものです。親や学校が敷いたレールの上を踏み外さないように走り、新しいことに挑戦するエネルギーは不足気味です。  

 一方、天然魚は自分でエサを探し、川や海を泳ぎ回って生きています。常識にとらわれない「ヤンキータイプ」は、大自然のなかを生き抜いてきた天然魚のようなものです。  

 人が敷いたレールではなく自分で敷いたレールの上を走ろうとし、新しいことにチャレンジしようとする挑戦心や、これをやり抜くエネルギーがあります。  

 何かでカルチャーショックを受けると、既成概念や同調圧力、常識といったものに縛られないで不屈の精神に火を点けられるタイプです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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