茶色のシマウマ(異端児)が育つアメリカ、育たない日本

 常識を疑ってみる――。  

 アメリカの企業社会では事業イノベーションで非常識を大いに受け入れ、それに挑戦しようとする「茶色のシマウマ(異端児)」を大切に育てようとするところがあります。  

 創業者では、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏やアップルのスティーブ・ジョブス氏、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏などは典型的な茶色のシマウマ。  

 そんな非常識な異端児たちは、それを毛嫌いしないアメリカの企業社会にうまく育てられています。アメリカの企業社会がそう振舞うのは、それこそが事業の多様性を生んで起業家が育っていくことをわかっているから。  

 異端児の起業家が次々と育つことで多くの新しい事業が育ち、たくさんの雇用を生むことにもなります。  

 その点、日本の企業社会では人生のほんの一部に過ぎない出身学校の卒業成績で社員の採用を決めてきたところがあります。そのため失敗を恐れる減点主義に毒された社員が増えてしまい、結果として多くの企業が活力を失っているのです。  

 人は自分の能力を超えた困難な仕事に立ち向かい、修羅場を潜り抜けることで大きく成長していくはずです。  

 ところが、減点主義が蔓延している企業では仕事のマニュアル化が進み、組織が四隅を切りそろえた四角四面なものになっています。それでは、余裕がなさ過ぎて社員の挑戦心など出てくるはずもないでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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