幸福への覚醒「こころの終末期医療」(17年9月8日発売、フォレスト出版)

 人は、死を目前にして感じる「魂の痛み(スピリチュアルペイン)」があります。  

 それは「身体的苦痛」「経済的苦痛」「社会的苦痛」とは別の、自分自身の内面に向き合う「人生の意味」を求める「心の叫び」です。  

 死への恐怖は、誰にでもあります。ただ、普通に生きていれば日常はあまり意識することのないことです。  

 しかし、死はいつ訪れるかわからないものです。  

 もしあなたが突然、「余命1年」と宣告されたら、いったいどんな気持ちを抱くのでしょうか? 

 人は、死を意識した時に生じる痛みが存在します。治療後の痛みや後遺症で、今までできていたことができなくなってしまう身体的苦痛、治療費やこれからの生活に不安を抱く経済的苦痛、家族や周りの人に迷惑をかけてしまうという社会的苦痛です。  

 しかし、患者にとっての最も大きな痛みには、魂の痛み=スピリチュアルペインというものがあります。  

 スピリチュアルペインとは、

「死ぬことが怖くて不安でしょうがない」

「孤独でつらい」

「自分の世界が壊れたみたいで生きていることが苦しい」

「自分の生きる意味や価値がわからなくなった」 

「なぜ自分だけこんなつらい苦しみを味わわなければならないのか」

「家族と二度と会えなくなると思うとつらい」  

 というような、心の内面にそった痛みなのです。  

 誰もが魂の痛みを感じ、乗り越えていきます。なかには、乗り越えられない人もいます。

 私は過去に3度、脳疾患の病気に襲われ、スピリチュアルペインを感じ、現在も半身不随の後遺症と闘いながら『こころの終末期医療』(9月8日発売、フォレスト出版)の執筆に臨みました。

 人は、なぜスピリチュアルペインを抱くのか?  

 そして、それをどう乗り越えて生きていくのか?  また、どう死んでいくのか……。  

 自分自身も抱いたスピリチュアルペインから脱出を試み、取材という旅に出たのです。  

 実際に終末期医療の現場から聖路加国際病院のチャプレンのケア現場の話を聞き、かつて私が取材して出会った人たちからスピリチュアルペインを乗り越えていきます。  

 取材には、それぞれが感じたスピリチュアルペインと、それをどう克服していったかを取り上げていきます。

 ・参議院議員の三原じゅん子さん 

・元横浜ベイスターズ投手の故・盛田幸妃さん 

・女優の音無美紀子さん 

・華道家の假屋崎省吾さん 

・俳優の故・萩原流行さん

・元NHKアナウンサーの山川静夫さん

・日産GT-R開発者の水野和敏さん  

 そして、スピリチュアルペインを乗り越えて安らかに亡くなられた方、そこから脱出できずに亡くなられた方、さらに最期を看取る家族や医療スタッフまで、スピリチュアルペインというテーマを軸に悲喜こもごものストーリーが展開します。  

 あなたも人生に一度は必ず抱く魂の痛み、「いい人生だった」と言える生き方を考えさせられるはずです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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