子どもの声はウルサイか?

 都内の住宅地に新しくできた保育園では開園後、近隣住民から「子どもの声がうるさい」というクレームが絶えなかったといいます。そこで、園庭での園児の遊び時間を厳しく制限しています。  

 住民から苦情が寄せられると、日中でも園児に園庭を利用させないそうです。なかには園児の姿を見たくないといった苦情もあり、日中でも外から園児の姿が見えるところのカーテンを閉め切っているといいます。  

 保育園と近隣住民との騒音トラブルは、園児に「大声を出させない」、「音の出る楽器を使わせない」といった自粛にも繋がります。  

 子どもにとって、大きな声を出して元気に遊ぶということは成長のプロセスでは欠かせないこと。その点、そうした自主規制は園児を伸び伸びと育てるどころかストレスを抱かせることになってしまいます。  

 何も子どもが悪いわけでもないのに、それをやらせないというは異質のものを認めない地域住民のミーイズムの成せる業。そんなことをしていると、いずれ街中から子どもの姿が消えてしまうでしょう。  

 かつて子どもは、地域住民の輪のなかで周りのから優しく見守られながら暮らしていました。それが今、周りから切り離された生活を強いられているのです。それでは、将来の地域を担い手が育つはずもありません。   

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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