繁盛店の基本モデル

 英国やアイルランドにあるパブを訪れたとき、知り合いになった顧客に聞いたことがあります。 「なぜパブに通うのですか?」  

  すると、顧客の多くがこう答えました。

「パブに行けば仲間や知り合いがいて、いろいろ情報交換ができるからさ。昔から、どんな小さな町や村に行っても教会とパブだけはあったよ。日ごろ、みんなが気楽に立ち寄れるところは教会とパブくらいしかなかったのさ」   

 現地の人にとって、パブはたんにお酒を飲むところではありません。

 そこを訪れた顧客が仲間や知り合いと楽しく会話を交わし、ゆったりした時間を過ごすことができるコミュニティの場なのです。  

 パブは、そのためにお酒や料理を提供しています。  

 一方、顧客にとってお酒や料理は仲間や知り合いと会話を楽しむためのアイテムに過ぎません。

 それなのに顧客がお店に求め、お店が顧客に提供している価値はほとんど損なわれていないのです。  

 これこそ、あなたが望んでいる繁盛店の基本モデルです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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